火は、強ければいいわけではない。肉にも、野菜にも、それぞれに “ちょうど1℃(degré)” がある。フランス料理で学んだ設計の目で、火入れのその一点を探し続けています。



達久 龍治 だてきゅう りゅうじ / Chef de cuisine・料理長
宮城県石巻市生まれ。フランス料理の名門ホテルで料理人の道を歩み始め、師として仰ぐ仙台のフレンチでキュイソン(火入れ)と皿の構成を深める。自身の工房〈L'ATELIER de LIEN〉では、低温調理をはじめとする現代の技法で、素材の香り・食感・そして温度を追い求めてきました。フランス料理で培った温度の設計を、火入れのダイナミズムへ ― その到達点として、仙台・国分町に DEGR'E を構えます。
火は、強ければいいわけではない。肉にも、野菜にも、それぞれに “ちょうど1℃(degré)” がある。フランス料理で学んだ設計の目で、火入れのその一点を探し続けています。
同じ一頭でも、部位ごとに火の入れどきは違います。赤身は香ばしさの立つ一点で、脂は軽やかにほどける一点で ― 七種を弾くように火入れし、フレンチの皿として組み上げる。詳しくは コース(un / deux / trois C°)で。


なぜ「1℃」にこだわるのですか。
フランス料理は温度の芸術です。数度違えば、同じ素材が別物になる。焼肉も同じはず。だから私は、極上牛の七つの部位それぞれに、狙うべき1℃を決めています。
お客様は自分で焼くのですか。
焼くのは、お客様ご自身です。ただ、任せきりにはいたしません。部位ごとに狙うべき1℃と、その焼き方をご案内し、焼き上げた肉は卓上の櫓(やぐら)へ。二段のラックでひと息休ませるあいだに、予熱がゆっくりと芯まで火を通し、狙った温度へ静かに仕上げていきます。前菜の低温調理、スープやタレの火入れは、私自身の領分。焼く楽しみはお客様に、仕上がりの精度はこちらに。
焼肉ですか、フレンチですか。
その問いの「あいだ」にあるものを、私たちは作っています。火入れのダイナミズムと、フランス料理の構成。どちらかではなく、両方を一皿の中で。
一皿ごとの1℃に、その日の意味を重ねて。二時間という時間を、火と素材とともにゆっくりお過ごしいただけたら。皆さまのお越しを、火の前でお待ちしています。
— 料理長 達久 龍治